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【UX LIBRARY】UX起点の部分開発とは? ─開発優先度とROIでフォーカスを見極める

2026.08.06 Thu.

【UX LIBRARY】UX起点の部分開発とは? ─開発優先度とROIでフォーカスを見極める

【UX LIBRARY】UX起点の部分開発とは? ─開発優先度とROIでフォーカスを見極める

「UX LIBRARY」とは?

「UX LIBRARY」は、ビービットがこれまで発信してきたUXに関する知見・情報を厳選し、コンパクトに再編集してお届けするシリーズです。

1分で分かるこの記事のポイント

今回は、レポート「最小コストで最大成果をあげる『UX起点の部分開発』」を再編集してお届けします。

この記事には以下の内容が含まれます。

1.デジタルサービスの改善・開発において一般的な「日々の運用改善」「大規模リニューアル」は、以下3つの問題を招く傾向にある
●課題対応の優先順位がつけられない
●周囲の納得や協力が得られない
●他部門からの横槍が入る

2.本記事で紹介する「UX起点の部分開発」を導入することで、上記3つの問題が以下のような形で解消される
●ユーザ行動を根拠に「なぜその課題に対応するのか・しないのか」を論理的に説明でき、優先順位の根拠と社内説得材料が同時に手に入る
●プロジェクト規模がコンパクトになるため、他部門からの横槍が入りにくくなる

イントロダクション:なぜ今、「部分開発」というアプローチが有用なのか

生成AIを活用した開発支援ツールの普及により、プロダクトの開発コストは急速に低下しています。コードの自動生成やプロトタイプ作成の効率化が進んだことで、以前であれば数週間を要していた開発が数日で完了する場面も珍しくなくなりました。

このように実装コストが下がり、プロダクトのPDCAサイクルが高速化していくと、「どの開発・改善に、どの順番で着手するか」という優先度をいかに正確に判断できるかが、プロダクトの成否をますます大きく左右することになります。

そこでこの記事では、ビービットのレポート「最小コストで最大成果をあげる『UX起点の部分開発』」を再編集してお届けすることで、解決すべき課題と対応の優先順位をピンポイントに捉えROIを高める「部分開発」という考え方と、この考え方がデジタルサービスの改善・開発に関する諸問題を解決できる理由を解説します。

それでは「UX LIBRARY」本編をお楽しみください。

2つの改善・開発スタイル:「日々の運用改善」と「大規模リニューアル」

デジタルサービスの改善・開発には、大きく分けて以下2種類のスタイルがあります。

日々の運用改善
●メルマガやプッシュ通知、広告の運用といった施策が代表的
●日次単位から長くても1ヶ月程度のサイクルで繰り返される
●担当者は次々とやってくる締切に追われながらタスクを処理することになりがち

大規模リニューアル
●フルリニューアルや大きな新機能の追加、デザインの全面刷新などが代表的
●プロジェクトチームが編成され、数ヶ月単位のスケジュールが立てられる
●サービスを直接管轄する事業部以外の関係者も巻き込みながら進むことが多い

デジタルサービスの改善・開発にまつわるよくある問題

デジタルサービスを改善・開発する際に、日々の運用改善・大規模リニューアルしか選択肢がないと、リリース後の運用改善フェーズでしばしば以下のような問題が発生します。

問題① 様々な課題意識が散在していて、優先順位をつけられない
デジタルサービスの担当者は日次・週次の施策対応で忙しいので、運用改善の枠内では、課題に感じていることがあってもテコ入れの時間や予算を確保できないままになりがちです。ダウンロード数やCVR、アクティブ率など、事業成長のためのKPIが明確だったとしても、課題がありすぎてどこからどのように手をつければ効果的に改善できるのかわからない、というケースも多くあります。その結果、「本当はここにも手を入れたほうがいいはず」という積み残しが、どんどん溜まってしまうのです。

問題② 実施したい改善・開発に対して、周囲の納得や協力を得られない
課題の優先順位がついていないと、「他の課題箇所と比べてなぜそこから対応しないといけないのか」「その対策がなぜ重要なのか」を明確に説明できません。その結果、チームや上司の納得や総意を得られないことで進行が滞り、予算が十分に確保できない・プロジェクトがスムーズに進まない、などの問題が発生します。

問題③ 他部門からの横槍のせいで、本題がおざなりになってしまう
ユーザ数の多いサービスでは特に、上層部や他チームから「自社内の他サービスへの広告や導線を置いてほしい」などのオーダーが来ることがあります。事業を横断したクロスセル実現、それによるLTV向上は時代の要請でもあり、一見正しいオーダーに見えますが、ただ導線を置いただけでクロスセルが実現できるわけではありません。ユーザ行動や課題、課題への対応方針が明確になっていないと、こうした「成果につながるのか怪しいオーダー」を根拠をもって拒むことができず、なし崩し的に対応せざるを得なくなります。そうして、本来の成果向上に割けるリソースが目減りしていってしまうのです。

「UX起点の部分開発」とは何か

ビービットが提唱する「UX起点の部分開発」は、運用改善と大規模リニューアルが招く上記3つの問題を解決できる、第3の選択肢です。日々の運用改善より大きな視点でものごとを捉えつつ、大規模リニューアルほど時間・コストがかからない改善・開発と言えます。

最大の特徴は、定量データだけでなく、定性的なユーザインサイトやユーザ行動をベースに、課題の特定と優先度付けを行う点にあります。どういうことかというと、実際のユーザ一人ひとりの行動を一連の流れとして捉えることで、何につまずき、何に迷っているのかを具体的にイメージできるレベルで理解するということです。この理解をもとに、「どこを改善すべきか」「どの順番で対応すべきか」を決めていくことになります(具体的な手順についてはレポート本編を参照)。

「UX起点の部分開発」を導入することで、チームメンバーも納得感を持って課題整理や優先度付けができるようになるうえに、それがそのままプロジェクト推進や予算獲得などの場面における周囲への説得材料にもなります。

「UX起点の部分開発」はどのように問題を解消するか

「UX起点の部分開発」は、先述した3つの「よくある問題」を以下のような形で解決します。

問題① 様々な課題意識が散在していて、優先順位をつけられない
ユーザのインサイトと行動を起点に、「プロダクトの課題がどこにあるのか」を理解できるようになります。その理解をもとに課題ごとの改善インパクトを試算し、対応コストと照らし合わせることで、優先度を決定できます。改善インパクトが大きく対応コストが低い課題から着手し、コストに見合わないものは後回しにするという、ROIに基づいた合理的な意思決定が可能になります。

問題② 実施したい改善・開発に対して、周囲の納得や協力を得られない
ユーザが実際に困っている様子を可視化することは、強力な社内説得材料になります。ビービットが過去に経験したプロジェクトでも、それまで非協力的だったチームや他部署のメンバーが、実際のユーザ調査の様子を目にした途端に「これは対応しなければいけない」と前のめりになるケースが数多くありました。このように、ユーザが困っている状況を具体的にありありと共有・説明することや、それらの事実をもとに論理的に対応の理由を提示することによって、周囲の納得や協力を得やすくなるのです。

問題③ 他部門からの横槍のせいで、本題がおざなりになってしまう
ユーザ行動と課題を起点に改善方針が明確になっていると、「これもやったほうがいいのでは」という外部からの要求に対して、「ユーザはこういう行動・考え方をしているから対応しない」と根拠を持って退けられます。また、大規模リニューアルと比べてプロジェクト規模がコンパクトなため、説明工数が少なく、他部門からの横槍が入る隙も少なくなります。

UX LIBRARYは以上です。レポートの本編では、「UX起点の部分開発」を進める際の具体的なプロセスや、改善インパクトとROIの算出方法を、実際の事例も交えて詳しく解説しています。

Appendix:このテーマが気になった方におすすめの資料

今回ご紹介した「最小コストで最大成果をあげる『UX起点の部分開発』」は、ユーザの行動からデジタルサービスの課題を特定し、対応の優先順位を判断する開発手法をテーマにしています。このテーマに関心がある方には、以下2つのコンテンツもおすすめです。

レポート「UX先進企業のひみつ CXとプロダクトをつなぐ組織論」
プロダクト・サービスを通じて顧客に高い体験価値を提供し、大きなビジネス成果をあげている「UX先進企業」では、一般的な企業とは全く異なる組織体制を採用しています。本レポートでは、今回の記事で取り上げたUX起点の開発について、それを可能にしている「組織」の観点から解説しています。

レポート「非デジタルUX設計 価値をリアル空間に具現化する」
IoTプロダクト、モビリティ、施設・店舗といったリアル接点の開発では、受容性検証や課題発見のためのユーザ調査の際、「利用環境の再現」に時間とコストがかかりがちです。本レポートでは、そのような特徴を持つリアル接点の開発であっても、「利用環境のどの要素を再現するのか」を絞り込むことで、調査・検証の効率を高めることが可能だと解説しています。

本稿で解説した部分開発の支援に関心をお持ちの方は、弊社サービス「UXデザインコンサルティング」の紹介資料をご一読ください。また、ご質問やご不明点がございましたら、問い合わせ窓口までお気軽にご連絡ください。

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