株式会社ベネッセコーポレーションベネッセ「ミライシード」が挑むグロース内製化。ビービットを「課の一員」に迎え、強い横断組織へと進化した9カ月の軌跡

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「ミライシードは、日本全国約12,000※校の小・中学校に導入されている(※2026年4月時点)、圧倒的なシェアを誇る学習系プラットフォームです。一方で、日々蓄積される膨大な利用データや多様なユーザの声を、個人のスキルに依存せず、組織的なプロダクト改善へとつなげる仕組み作りが課題となっていました。 この課題を解決し、「データとファクトに基づくグロース活動」を組織に根付かせるべく始動した組織が「ミライシード活用支援課」です。同課は外部パートナーであるビービットを「コンサルタント」としてではなく「チームの一員」として迎え入れ、グロース活動における人材育成と内製化に取り組みました。その結果、わずか9カ月で属人化していた分析スキルを組織全体の力へと昇華させ、データに基づく意思決定を現場に定着させました。 今回はプロジェクトを牽引した課長1名とメンバー2名、そして伴走したビービットのメンバー2名に、その舞台裏を詳しく聞きました。

株式会社ベネッセコーポレーション

  • 小中学校商品部
    ミライシード活用支援課
    課長
    木村 祥子 様
  • 小中学校商品部
    ミライシード活用支援課
    小橋 誉典 様
  • 小中学校商品部
    ミライシード活用支援課
    山岸 涼楓 様

株式会社ビービット

  • UXインテリジェンス事業本部
    UXグロース部
    コンサルタント
    椿 ともみ / 稲山 修

データとファクトで、ミライシードの真の価値を全国に届ける

ーーまず、ミライシードのミッションと、ミライシード活用支援課の役割を教えてください。

木村様:ミライシードは、全国の小・中学校において約12,000校に導入されている学習系アプリのプラットフォームです。義務教育という公的な教育の場で、日々子どもたちや先生方が「個別最適な学び」や「協働的な学び」 などを実現できるようサポートすることが、ミライシードの大きな社会的責任であり、やりがいです。

その中で私たちミライシード活用支援課は、2025年度から「グロース支援」をミッションとしてスタートしました。体制は5名のメンバーと課長である私です。メンバーのうち1名は新たなミッションを掲げてから約半年後に合流しています。

現在の支援課のミッションは、これまで蓄積されてきた膨大な利用ログや行動データを分析し、アプリの価値を最大化するためのファクト(事実)に基づいたアプローチを確立することにあります。
当社には、日々の営業活動や現場訪問を通じてお客様の声が非常に多く届く環境があります。
しかし、あまりにも多様な声があるからこそ、「次に何をすべきか」という方向性が見えにくくなる側面もありました。12,000校分のデータの蓄積を十分に活用し、客観的な分析によってアプリのグロース活動に役立てていくことが私たちに与えられたミッションでした。

株式会社ベネッセコーポレーション 小中学校商品部 ミライシード活用支援課 課長 木村 祥子 様

属人化していた分析スキル。組織として再現できる体制への危機感

――2025年度からビービットの椿、稲山が入り、グロース活動における人材育成と内製化がスタートしました。当初はどのような課題を感じていたのでしょうか。

木村様:最大の課題は、データ分析が属人化していたことでした。それまでもデータ分析はしていたのですが、分析の筋道や手法が特定の個人のスキルに依存しており、組織として再現できる状態ではありませんでした。「あの人がいなくなったら、この分析ができなくなる」というのは、組織として非常に危うい状態です。ですから、特定の個人の力に頼るのではなく、「組織の力」として、データから課題を見つけ、実行まで繋げられるチームを作りたかったのです。
しかし、自社内を見渡しても、私たちにフィットするようなチームの見本がなかなか見当たらず、自分たちだけで解決するのは難しいと感じていました。

山岸様:私は入社3年目で文系出身ということもあり、当初は数字に苦手意識がありました。「データに基づいたグロースを」と聞いたときは、正直「どうしよう」と不安でいっぱいでした。

小橋様:私はこのチームに加わる前の部署で、プロダクトマーケティングの責任者をしていましたが、検証と改善の部分に課題を感じていました。課題を見つけても改善施策を実行するリソースがなかったり、行ってもインパクトが小さかったり。専門性を高めてアクションまでしっかり描きたいと考えていたタイミングで、このチームに配属されました。

株式会社ベネッセコーポレーション 小中学校商品部 ミライシード活用支援課 小橋 誉典 様

「外の人」ではなく、信頼できる「課の一員」としてビービットを選んだ

――パートナーとしてビービットを選んだ決め手は何でしたか。

木村様:以前、一部のアプリでビービットさんに伴走いただいた際、スコアロジックを立てた分析や効果検証によって事業成長への確かな手応えを感じていました。2025年度はその取り組みをミライシード全体に広げたいとの思いがありました。

私が最もこだわったのは、ビービットさんに単なる「外部コンサル」としてではなく、私たちの「課の一員」として組織の中に入っていただくことでした。
実は、新設された横断組織である支援課が、社内の各チームから距離のある存在になってしまわないかという懸念が当初はありました。
だからこそ、単なる分析手法の習得だけでなく、「どうすれば各チームと同じ目線に立ち、信頼を築いて成果を出せるか」という、組織としての立ち位置そのものを相談できる相手を求めていました。

外部に頼り続けることもできますが、私は最初から「組織を強くしたい」とお伝えしていました。その意志を汲み取ってくれたのがビービットさんです。
初めて使う人の視点でアプリを捉え、プロダクト理解を深める。 他チームの課題や状況を理解した上で、改善につながる提案を行う。
こうした当事者としての踏み込んだ関わり、つまり真の内製化に向けた工夫を積み重ねるためのアドバイスを、ビービットさんは常に高い視点でくださっています。支援課の方向性に迷った時にいつも助言をくれ、今では非常に大きな支えになっています。

稲山(ビービット):4月から「課の一員」として、組織の目的を検討する段階から深く入り込ませていただきました。
アプリチームや営業の皆さんに「分析レポートを出して終わり」にする組織ではなく、いかにアクションに繋げ、成果にコミットするか。その設計を木村さんと共に行えたことが、今の強いチーム作りに繋がったと感じています。

株式会社ビービット UXインテリジェンス事業本部 UXグロース部 コンサルタント  稲山 修

教え合うことで高まる成長のスピードと専門性

――具体的に、どのような育成プログラムや活動を進められたのでしょうか。

椿(ビービット):まずはメンバーのみなさんには「型を学ぶワーク」を通じて、定量データと定性データの両面からプロダクトの課題を考えるプロセスを体感していただきました。座学で終わらせず、すぐに実務で繰り返していただくことを徹底しました。
また、活動を通じて一番嬉しかったのは、4月から受講していた山岸さんが、9月に入った小橋さんの「先生役」となって「育成のループ」を回してくださったことです。山岸さんが実務ワークの添削やフィードバックを実践して下さったことで、チーム内で知識が循環し、より深く根付いていったと感じています。

山岸様:教える立場になることで、「自分にもスキルがついてきた」と実感できました。ビービットさんが考えた分析やレポートではなく、自分で思考して自分の言葉で語れるようになってきたことは、大きな成長でした。

木村様:メンバーには「ただ分析するだけのチームにはなりたくない」と言い続けてきました。分析だけなら外部に頼めばいい。社内にいる私たちがやる意味は、課題を見つけて実行し、事業に貢献することにある。そのため、座学の後はなるべく早く実践に移ってもらい、実際のアプリで、実際に課題を見つけ、早く貢献していけるようビービットさんにお願いをしてきました。

株式会社ベネッセコーポレーション 小中学校商品部 ミライシード活用支援課 山岸 涼楓 様

再現性ある育成—自らゴールを決め、成果を追求する「強い組織」を生んだ

――どのような成果が具体的に生まれていますか。

山岸様:デジタルテストアプリ「テストパーク」の改善事例があります。
このアプリは、ミライシードの中でも「シンプルで使いやすい」と評判のアプリです。より多くの先生方に活用いただくため、テストパーク担当チームとともに活用促進の方法を検討していました。

椿さんと一緒にデータ分析を行ったところ、多くの先生がアプリにアクセスしているものの、何をすればよいか分からず、数秒で離脱してしまうケースがあることが見えてきました。この結果をもとに、「初めて使う先生にとって、使い方が直感的に伝わりにくい部分があるのではないか」という視点をアプリチームと共有し、より分かりやすい導線や設計について検討を進めていきました。そうした改善活動をアプリチームと共に積み重ねた結果、小・中学校における「テストパーク」については、配信率が1学期(4〜7月平均)から2学期(9〜12月平均)で約1.5倍になりました。

ミライシードには「ミライシードDXエデュケーター」という認定制度があり、活用上手な先生方とは密に連携しています。そのため、活用に熱心な先生方の声はよく届いていたのですが、その影にいる「活用が上手くいっていない大多数の先生」の声は拾いにくい状況でした。そこを数字で示したことで、初心者の先生の利用状況がより具体的に見えるようになりました。

担当チームとの検討・改善はその後も続き、3学期にはトップ画面の刷新も実現。その結果、初めて使う先生でも迷わず欲しい機能を見つけられるようになり、更なる成果に繋がっています。

「テストパーク」TOP画面

木村様:以前から「活用が大事」と言いつつも、具体的にどの機能の活用を促すべきかが曖昧でした。今は、「まずはこの機能を使ってもらうことが、ミライシードの価値を感じてもらう近道だ」という提案がデータを基に行えています。これにより、アプリチームだけでなく、営業やその他チームも含めた事業全体が動くきっかけを作れたことは非常に大きい成果でした。

数値目標に関しても成果が表れていて、KSF(Key Success Factor:主要成功要因)の複数項目で目標を達成しています。

山岸様:私自身、入社当初は「KPI」「WAU(Weekly Active Users:1週間のアクティブユーザー数)」といった数字での議論がほとんどできませんでしたが、今は数字を用いて効果検証を行えるようになりました。仕事が成果と直結している実感もあり、チームで共通のゴールに向かえていることに喜びを感じています。

椿:小橋さんと山岸さんへの伴走のご支援では、「再現性の担保」と「自走して育成ループが回ること」を重視してきました。正解をお伝えするのではなく、考え方や解釈を引き出すコミュニケーションを心がけました。その結果、皆さんがご自身で学んだ型をもとに分析を深め、ネクストアクションの提案まで生み出されている点に、大きな前進を感じています。

稲山:当初から、真の内製化に向けてビービットの役割がだんだん小さくなっていくような活動計画を立てていました。序盤は我々が引っ張っていきましたが、今ではメンバーの皆さんが本来の実力を発揮し、自律的に動かれています。外部パートナー主導のフェーズから、ベネッセ様の「自走フェーズ」へと着実に移行できていると感じています。

事業の状況に合わせた柔軟性の高いプランニング

ーービービットとの伴走において、特に価値を感じている部分はどこでしょうか。

木村様:私たちの状況に応じて柔軟にプログラムをリバイス(修正)してくださる点です。
当初の計画に縛られるのではなく、「今はその分析よりも、こちらの分析を優先したほうが事業貢献度が高い」といった判断を、常に提案いただきました。
よくビービットのお二人から言われたのは「そのほうが支援課の貢献度が高まりますよ」というキーワードでした。これは「今のミライシードにとって何が最優先か」という事業視点から、支援課がどこに力を注げば最も価値を発揮できるかを常に示唆してくださった言葉です。常に事業全体の成果を最大化するための柔軟な伴走をしてくださったことが、今の結果に繋がっていると感じます。

椿:他チームから相談が寄せられる、頼られる組織になっていますよね。

小橋様:稲山さんは、チームメンバーの状況を見ながら上手に、的確に褒めてくださいますから、チームのモチベーションが高い状態で、常に良いパフォーマンスが発揮できていると感じます。
椿さんは、私たちのレポートの解釈について、アプリチームや営業などそれぞれのチームが目指している方向性も踏まえながら、伝え方まで含めてアドバイスをくださいます。本当に頼りになる存在です。

木村様:ビービットのお二人は、私不在の会議にも「うちのメンバー」として出席してもらっています。現場の異変を即座に共有して共に作戦を立てる不可欠な存在です。
稲山さんは事業の目指すべき姿という高い視点から、課長一年目の私を力強くリードしてくださいました。
椿さんは「伝える力」が本当にすごい。現場に刺さる、確実にアクションに繋がるコミュニケーションを徹底してくれます。他チームとの調整も安心して任せられるほど信頼しています。

株式会社ビービット UXインテリジェンス事業本部 UXグロース部 コンサルタント  椿 ともみ

アプリの改善から、事業変革のパートナーへ

――今後、チームとしてどのような挑戦をしていきたいとお考えですか。

小橋様:この一年で、ようやく「データドリブンでグロース活動を回す」という土台ができました。次は、自分たちの施策が事業全体の数字をどれだけ変えられるか、という「事業変革」への寄与に挑戦したいです。

木村様:これまでは個別のアプリ改善やボトルネック分析が中心でしたが、今後はミライシード全体の利用状況を俯瞰しながら、プロダクト全体の活用をどう広げていくかといった、より広い視点での戦略立案に踏み込んでいこうとしています。

支援課には「これを作ればゴール」という決まった形がありません。だからこそ、自分たちで進むべき道を決める自発的なチームであり続ける必要があります。メンバーが「この仮説を検証するためにはもっとデータが必要だ」「この成功パターンを他アプリにも展開できないか」と自ら声を上げ始めた今の状態をさらに加速させるため、ビービットさんへの相談領域もさらに広がっています。引き続きお二人に力を借りながら、ミライシードにおける私たちの貢献領域を広げていきたいと思っています。

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