日本生活協同組合連合会(COOP)が
「チームのUX企画力」を高めて売上目標を達成した方法とは

日本生活協同組合連合会
事業企画本部次世代戦略企画室 室長
峰村 健史

日本生活協同組合連合会
通販本部コンタクトセンター
インターネットグループ
グループマネージャー
川口 剛史

日本生活協同組合連合会
通販本部コンタクトセンター
インターネットグループ
廣澤 萌子

(聞き手)株式会社ビービット UXインテリジェンス事業部
カスタマーサクセス担当 丸山 早紀

USERGRAMを導入するまでは、担当者が縦割りでそれぞれのKPIしか見ておらず、また、根拠を持った施策の企画ができていなかったという日本生活協同組合連合会様。
しかし今では、チーム横断でサイトのUX企画に取り組み、売上目標達成をはじめ、多くの成果を挙げられています。
チームとしてどのようにUX企画力を高め、また、企画立案から実行まで、業務をどのように遂行されているのか、そして具体的にどのような改善施策を実行されたのかを伺いました。

※この記事は、2020年2月20日に開催した当社セミナーのパネルディスカッションを元に編集・作成しています。

組合員を理解し「良い体験」を提供したい

ビービット丸山:はじめに、USERGRAMを導入された経緯を教えて下さい。

峰村室長:全体の売上に占めるサイト経由の売上比率が上がってきていた中で、その改善にうまく取り組むことができていないと感じていました。
例えば、メールマガジンはメールマガジンの担当が配信し、サイト内バナーの制作はサイト内バナーの担当が制作するという形でした。
そして、それぞれの担当者は自分の担当の部分のみの指標、例えばメールマガジンであれば開封率とクリック率、バナーであればバナーのクリック率などだけを見ているような状態でした。そのような体制だと、何かの結果の数値が悪かった時に「では次はどうするのか」という改善案が出ないという課題意識がありました。

事業企画本部次世代戦略企画室 室長 峰村 健史様

廣澤様:前例を踏襲したり、上層部の意見が反映されやすい状況でしたね。

峰村室長:上司から、デザイン思考(デザインシンキング)の本をもらったことがあったのですが、
私はその考えがとても良いと思っていました。
組合員さん(ユーザ)への理解をベースに問題を定義して、仮説とプロトタイプを作り検証を回していく。検証を回すというのは、一回だけ行うのではなくて、二度、三度と改善を重ねるということで、だからより良い状態、良い顧客体験(UX)になっていくと理解しています。
以前参加したセミナーで、USERGRAMは顧客理解をできるツールだと認識していて、いずれコールセンターなどでも活用できるかなと思いながら、導入に踏み切りました。
「こういう人が我々の売り場にいらっしゃっていて、我々の商品を買ってくださっているんだ」っていう理解が大切である。これは、インターネット、コールセンターだけではなく、紙媒体や商品開発にも適用できると思っています。

ビービット丸山:「くらしと生協」のウェブサイトにおいては、UXが良い状態とはどのような状態でしょうか。

川口マネージャー:組合員さんがサイトにきて、探しているものが迷わずにスムーズに見つかるという体験を実現したいなと思います。見つからなくてたくさん回遊してしまったり、探せなくて離脱してしまうといったような体験はないようにしたいですね。

通販本部コンタクトセンターインターネットグループ グループマネージャー 川口 剛史様

1ヶ月半で298万円の売上アップとなった「寝具特集」

ビービット丸山:改善によって売上が合計で940万円アップの見込みと伺ったのですが、具体的に行ったことを教えてもらえますか。

廣澤様:5つの施策で合計940万円のアップ見込みなのですが、その中で最も効果の大きかった寝具特集についてお話しできればと思います。
寝具特集の売上改善をテーマに取り組んでいたところ、2組の寝具を買うとお得という2色組の商品ががなかなか買われておらず、その存在が伝わっていないのではないかという話になりました。

ビービット丸山:どのようなユーザの動きを見てそう思われたのでしょうか。

廣澤様:ご家族分のたくさんの寝具を一気に買われている方がいたのですが、1組ずつ買っていらっしゃるというケースを見てそう思いました。2枚組で買ったほうが金額的にはお得なのに、気づかれないままに
1組ごとに寝具を購入されていたのです。
そこでトップページに表示している「人気のキーワード」という欄で「来客 寝具2色組がお得」というキーワードを出して、気づいてもらいやすいようにしました。

(参考)「くらしと生協」人気のキーワード

この人気のキーワードには、昨年末12月に掲載を始めたのですが、12月は年末の来客に向けて寝具への需要が高まるシーズンですので、「来客」というユーザの関心に沿うキーワードを合わせて表示した形です。タイミングも良かったのかと思いますが、経由受注金額で298万円の実績を上げることができました。

ビービット丸山:素晴らしいですね。その他の実績が出た施策もよろしければ教えてください。

廣澤様:一つは、LINE公式アカウントのメッセージ配信時間を変更して、87万円の売上となりました。もともと11時に配信していたのですが、9時ごろに「くらしと生協」のサイトで買い物をされている
ユーザが多かったことから、それより少し早い時間帯の8時半に変更したという経緯です。

その他は、
寝具と同様にインナー2枚組をキーワードでお伝えし約17万円の売上を達成
「子どもと赤ちゃん特集」のバナーを、子ども向け商品を求めているユーザにとって
より自然な導線に配置したことで約138万円の売上を達成
などがあります。

通販本部コンタクトセンターインターネットグループ 廣澤 萌子様

複数部署のメンバーでUX改善を検討

ビービット丸山:これらのUX改善は、チームで検討して取り組まれているとのことなのですが、それはどういう狙いなのでしょうか。みなさん色々な業務を抱えていらっしゃる中で「まずは小さく一人で始める」という手段を取るという選択肢もあったと思います。この選択をなさった理由をぜひ伺えればと思います。

峰村室長:そもそもUSERGRAMは特定のチームの効果を上げるためではなく、組織全員のスキルアップに寄与するのではないかと考えて導入しました。ですので、インターネットグループだけでUSERGRAMを使うのは勿体ない。ユーザーを理解すれば商品改善、紙面改善、あるいはコールセンターの応対にも活用できると思いました。
また、ユーザの行動というヒントを見て、「いかに仮説を出すのか」がポイントだと思いますが、一人の視点では限界があります。チームでいろんな意見を出し合うほうが効果をもたらせるだろうなと考えていましたね。

ビービット丸山:素敵ですね。しかしながら、複数部署を巻き込むのは大変だったのではないでしょうか。

川口マネージャー:もともと社内で「かがやく仕事」という仕組みがあり、それを活用しました。「かがやく仕事」にエントリーすると、関連他部署も連携して取り組むのが前提の課題となります。やらざるを得ない状況を作った形ですね。

峰村室長:しかしながら、商品担当やマーケ担当まで、この取り組みに参加してくれたのは、USERGRAMによるところだとも思っています。もともとは、結構、縦割りの組織で、部署横断の取り組みがすんなりとうまくいくような組織風土というわけではありませんでした。みんなで見てみると面白いものだからこそ、USERGRAMという旗印をもとに自然にまとまったように思います。
また、私の上司である本部長がこのようなツールを使うことに賛成だったというのもあるかもしれません。本部長が面白いと言っているので、みんな安心してUSERGRAMの取り組みに時間を使えるのかなと思います。

ビービット丸山:そのような背景や仕組みがあると、自分ごととして取り組む事ができますね。実際、一人でUSERGRAMを見るのと、皆さんでUSERGRAMを見るのでは違いましたか?

廣澤様:そうですね、商品担当やお問い合わせ担当は、私ではなかなか気がつかないような事に気がつきますね。例えば問い合わせ担当は、問い合わせをする前のユーザの行動に着目して「よくある質問ページ」に課題意識を持っていました。

ビービット丸山:具体的にはどのような頻度で、どのように取り組みをされているのでしょうか。

廣澤様:2週間に1度、各部署から人を集めてミーティングをしています。各回テーマを決めて、1時間で改善案まで出しています。

(参考)実際のミーティング時の写真

各メンバーが気になっている事や知りたいことは事前にヒアリングするなど、私の方で事前の準備を行って、ミーティングの一時間は「ユーザの行動観察」と「改善案の議論」だけをできるように工夫しています。

ビービット丸山:出てきた改善案は、どのように対応していらっしゃいますか?

川口マネージャー:一つのシートに、
「改善施策の目的」「根拠」「優先度」「誰がするのか」
などを一覧化して、順番に実施しています。USERGRAMを導入した直後のビービットのトレーニングプログラムで使っていたシートを引き続き活用していますよ。

PDCA業務が組織全体に広がった

ビービット丸山:最後に、峰村様が感じるUSERGRARMを入れた前後での組織の変化を教えてください。

峰村室長:もともとインターネットグループは、インターネットの特徴から、プロトタイプの実験をしてPDCAを早く回せるチームでした。
一方で、紙のチームや商品企画のチームは、企画から発行や商品販売までに約1年かかることもあり、
なかなか高速にPDCAを回すということはできていませんでした。同様にお問い合わせ部門も簡単にはフィードバックを得る事ができないので、そのようなPDCAを高速で回す事はあまりできていませんでした。
USERGRAMを導入した事で、インターネットグループと一緒に他のチームも顧客理解を深め、チームで改善策を出し、結果まで共有するという経験をできた事がとてもよかったと捉えています。「自分で問題点を見つけて、自分で考えて、改善策を出して検証する」という取り組みが組織全体に広がったように思います。

ビービット丸山:そのように言っていただけてとても嬉しいです。
今後も、カスタマーサクセス一同でご支援できればと思います。

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