売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

書籍執筆にあたって

契約による縛り付け、複雑な料金・サービス体系、煩雑な解約手続き・・・

顧客不満が多いにも関わらず、企業がこれらの事業モデルを辞められないのは、短期的には明らかに儲かるためです。

本来ビジネスとは、「顧客が満足すれば、売上に繋がる」というシンプルな構造のはずです。しかしこの実践は簡単なようで、非常に難しく、収益拡大だけを追った結果、冒頭の事例にあるような「顧客は満足していないが、売上に繋がる」というねじれた現象を引き起こします。

この状態に依存したままでいると、悪い結果が待ち構えていることは経験上明らかです。人口減少によって競争が激化するだけでなく、ネットの口コミが購買に大きな影響力を持つ今、悪い結果は想像よりも早く企業を襲うようになるでしょう。また、誰かの役に立つことが幸福感の根源であることを考えれば、このねじれた状態の仕事は働く喜びをも失わせます。

書籍を書いたのは、このねじれた状況から脱し、仕事を健全化することで、顧客が喜び、働く人がやり甲斐を感じ、企業により大きな収益をもたらし、社会が発展する、そういう世界が作りたかったからです。

本書の読みどころ・読んで頂きたい方

顧客ロイヤルティ経営やカスタマー・エクスペリエンスに関する書籍は数多くありますが、その中で本書を手に取って頂くために以下の3点については特に注力しました。

本当に良いと思う顧客ロイヤルティの本はすべて洋書であり、日本の実態に即した書籍がないため、日本企業の事例を多用すると共に、トップダウンが効きにくい日本の組織形態にあったノウハウを紹介
理想論だけに終始せず、実践に耐えうるよう再現性の高いノウハウとして、7つのステップに体系化
納得感を持って頂くため、実際のコンサルティングの現場で使った資料、データを可能な限り掲載
日本の事情に配慮すべく、スーパーオオゼキ、ソニー損保、セブン銀行、LIXIL、ヤマト運輸といった国内の先進企業事例を多く取り上げつつ、ロイヤルティ経営手法を7ステップに分け、顧客アンケートの取り方から、組織の動かし方、顧客志向文化の作り方についても出来る限りわかりやすく解説しました。

顧客満足やロイヤルティの創出、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)の向上に課題をお持ちの方、また理不尽や契約や顧客の知識不足をベースとした課金など顧客にとって価値がない収益ではなく、顧客から「ありがとう」と言ってもらえる事業活動にフォーカスをしたいと思っている方、NPS®に興味がある方、などにお読み頂けたら、何かしらのヒントをご提供できるかと思います。

注:NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

目次

プロローグ 顧客満足が高いのに競合に勝てないワケ
ステップ1 良い売上にフォーカスする -ロイヤルティ指標の設定
ステップ2 顧客を怒らせる方法を考える -カスタマージャーニーマップ策定
ステップ3 顧客の声を集める -顧客フィードバックの獲得
ステップ4 顧客は6タイプに分けて考える -ロイヤルティ別に顧客の特徴把握
ステップ5 顧客の行動はウソをつかない -定性調査で顧客インサイト理解
ステップ6 顧客と共に改善する -成功確度を高めるユーザ中心設計手法
ステップ7 顧客志向文化を形成する

書籍情報

著者
株式会社ビービット 遠藤直紀、武井由紀子
価格
1,800円+税
出版
日本実業出版社
発売
2015年12月10日