2008年05月12日

ユーザの商品探索プロセスとサイト上の注意点

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ユーザビリティコンサルタント
森川 洸

家具、日用品などを扱うECサイトでは、ユーザがサイトに訪れてからどの商品を購入するかを検討する行動が多く見られます。このようなサイトでは、ユーザがいかに目的とするものにスムーズに辿り着けるかが特に重要となります。

弊社が実施したユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、商品を検索する際に適当な商品カテゴリを見つけられなかったり、候補を絞り込めず多くの検索結果の中から目的の商品を一つ一つ探し出さなければならないといったケースが観察されました。

こうした問題に対処していく場合、次のようなユーザの行動特性を踏まえる必要があります。


ユーザの商品探索プロセス

  1. ユーザは最初に、探しているものの形状、大きさなどの大まかな特徴を含んだ表象(注)を形成します。
    (「リビングに置くための低めのテーブルが欲しいなあ」といった漠然としたイメージを思い描いています。)
    (注)表象・・・ある存在に対する頭の中の対応物。イメージ。
  2. イメージがあいまいで直接具体的な商品が引き出せないため、一旦像を抽象化します。
  3. (一般名詞としての「机」を想起します)
  4. 外部の視覚的刺激を受けて探しているものが属するカテゴリを同定します。 (画像やカテゴリ名を頼りに、探しているものが「ローテーブル」のカテゴリに属することを認識します。)
  5. 商品の属性を用いてカテゴリ内の商品群を絞込みます。
    (価格<20,000円以内>、材質<ガラス製または木製>などの条件を指定して絞込みます。)
  6. 絞り込んだ商品リストの中から自分のニーズに近いものをいくつか抽出します。
    (複数ページにまたがる37件の絞込み結果から「グラステーブルTS-14 」、「クリスタルテーブルC-20 」などを候補にします。 )
  7. 抽出した候補を比較し、最終的に自分のニーズに最も適合したものを選びます。
    (候補を十分吟味し、「グラステーブルTS-14 」に決定します。 )

(注)カテゴリ・・・ある一定の関連をもった商品の集まり
    属性・・・価格、大きさといった商品がもつ性質

以上のようなユーザ行動特性を踏まえると、サイト側ではどのような点に注意しておく必要があるでしょうか。以下に各ステップごとで踏まえるべき点を述べていきたいと思います。

2. ユーザが想起しうる一般名詞に対応したカテゴリを提示する必要があります。「おすすめ」のように何を指しているのかわからないカテゴリを混在させることは避け、「生活用品」のように意味の広すぎるカテゴリは分割するのがよいでしょう。

3. ユーザの持つ表象と、サイトが提供するカテゴリとの対応づけを確実に行うため画像を適切に用いることが重要です。また、ここでは「テーブル」、「ガラステーブル」のように階層の異なるカテゴリが並んでいないか注意しましょう。

4. 価格、色、大きさ、材質などの属性をユーザニーズに合わせて絞込条件として提示するのが望ましいです。なお「一般商品」、「おすすめ」のようにビジネス的視点からの絞込条件ばかりになっていないかどうか注意が必要です。
「椅子」、「机」のように多くのユーザが完全に区別して考える要素はカテゴリとして、また色や価格のようにユーザによって選択に幅が出るものは絞込み可能な属性として定義するとよいでしょう。

5.6. 複数のページからでも候補の商品を選び出すことができ、価格やスペックなどを横並びで比較できる機能が求められます。その際、ユーザが検討するために必要な情報を一覧表示できるなど、見やすく提示されている必要があります。

このように、ユーザ心理を理解すると自ずとどのような支援が必要となるかが明確になり、ストレスのない商品探索プロセスをユーザに提供することが可能となるのです。

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