2011年03月28日

「自社サイトでのアンケート」でユーザ理解

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ユーザビリティコンサルタント
小林 理生
今回は、皆様の身近にある自社サイトで行えるアンケート調査について、そのメリットと注意点をご紹介します。

●本日のポイント

自社サイトで簡易アンケートをとることはユーザを理解する上での基礎調査になる。
→メリット1:今、サイトに来ている人がどんな人かがわかる。
→メリット2:調査がしにくいユーザの声が聞ける(遠方や海外にいるなど)。
→注意点1:ユーザ行動ではなく、「声」であるため、あくまで一意見として捉える。
→注意点2:今サイトにきている人の声、かつその一部の人であることを忘れてはいけない。

●自社サイトアンケートは基礎調査におすすめ

例えば、服を売っている企業であれば、当たり前の話ですがお店に来ている客がユーザです。その人達に対してレジで以下のような質問を2、3個尋ねるだけで、そのユーザの気持ち、想いが把握できます。

  • 今日はどのような目的で来られたのですか?
  • 欲しい物は見つかりましたか?
  • 何か気になった点があれば教えてください。

ウェブサイトでもアンケートを利用して同じことができます。

訪れた瞬間、もしくはサイトでの目的を達成したタイミングで「もしよろしければ3問程度のアンケートにご協力いただけないでしょうか」という依頼をします。

自社サイトでのアンケート依頼の例

答えたくない人は答えなくてよいので、ユーザが怒って帰ってしまうといった事態に気をつける必要はありません。

この調査は、「本当に今サイトに誰が来ているかわからない」というときの基礎調査としておすすめします。あくまで基礎調査である理由は次の「気をつけなければいけない点」で記載します。

●自社サイトアンケートで気をつけなければいけないこと

簡易に行えるこの調査ですが、気をつけなければいけない点が大きく二つあります。

1:アンケートはユーザの行動ではなく「声」であるため、あくまで一意見として捉える。

ユーザ行動観察調査でも気をつける点ですが、ユーザの声は必ずしも行動を表しません。アンケートで取れる情報はあくまで「声」ですので、一意見として捉えることを心がけてください。

また、その信憑性を確認するためにもアンケートはある程度の数をとって、定量的に分析することをおすすめします。

2:今サイトにきている人の声、かつその一部の人であることを忘れてはいけない

もう一つ注意すべき点として、今サイトに来ているユーザは必ずしも狙っているユーザだけではないことを念頭においてください。

狙っていないユーザの声にあわせてアクションプランを立ててしまうと、狙うべきユーザが離れていってしまうといった事態も起こりえます。

アンケートで獲得できる生の声は宝のようなインプットに見えますが、上記の理由からも、一意見として扱うべきであることを念頭においてください。

●アンケートの応用方法

最後に私が自社アンケートをプロジェクトで活用した例について軽く触れます。

担当したプロジェクトでは、ユーザが世界中にいるサイトだったため、国内でユーザ行動観察調査は行えないものでした。そこで自社サイトを利用してサイトのトップページに複数言語でアンケートを設置し、1週間で数百人の声を集めることにしました。

「やはりそうか」というものもあれば、「そんなニーズもあるのか」と気づきを与えてくれるものも多くありました。

「国内にいるが接触しにくい」ユーザや海外にいるユーザなど、接触しづらいケースでは、手軽にできるのでおすすめです。

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