2008年01月07日

個人プロフィールからの引用を考慮した携帯サイトフォーム設計

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顔写真
ユーザビリティコンサルタント
垣内 勇威

PCをほぼ/全く利用しない「インターネット=携帯電話」ユーザには、フォームなどでメールアドレスを入力する際に、個人プロフィールから引用する傾向があります。

この機能は、文字入力時にプロフィールに登録されている自分の氏名、電話番号、メールアドレスなどを引用できるものです。

機種によってこの機能の名称や使用方法は異なりますが、筆者の携帯では下記の操作でプロフィールを引用することが可能です。

図1

プロフィールの中でもメールアドレスは、文字数が多く、英数字が混在するため、直接入力する場合、煩わしい操作を要します。

そのため、携帯の操作に慣れているユーザの多くが上記の機能を使用してメールアドレスを入力しているのです。

この行動を想定したうえでサイトを制作しなければ、ユーザにストレスを与えてしまう可能性があります。

例えば、あるメールアドレス入力フォームでは、下図のように「@」より前をフリーワードで入力し、「@」より後ろをプルダウンメニューで選択する仕様にしていました。


図2

一見、親切そうに見えるフォームですが、プロフィールから引用する機能を使用した場合、むしろ入力の手間が増えてしまうのです。

ユーザビリティテスト(ユーザ行動観察調査)では、以下のような行動が観察されました。

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1.メールアドレスの「@」以下はプルダウンメニューから選択するということに気付かないまま、「@」より前の入力欄をクリックする。

2.「@」より前の入力画面にて、プロフィールからメールアドレスを引用入力する。その際、「@」以下のドメイン名も含めて入力される。

3.入力後にプルダウンメニューを見て「@」以下は不要であったことに気付き、再度入力画面を開いて「@」以下を消去する。

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このように上記のフォームでは、目についたものから瞬発的にクリックする携帯ユーザの特性も影響し、入力が二度手間となってストレスを与えてしまうのです。

この例での改善策としては、メールアドレスの入力欄を1つのフリーワードボックスとすることで、引用入力をしやすくすることが考えられます。

もちろん、携帯の操作に慣れていないユーザをメインターゲットとしているようなサイトでは、上記のフォームのように「@」以下がプルダウンメニューとなっている方が親切な場合もありますが、「インターネット=携帯電話」ユーザをメインターゲットとしているサイトで、メールアドレス入力欄を設置している方は、プロフィールの引用入力という観点を持ってフォームの設計について見直してみると良いでしょう。



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2008年1月25日、宣伝会議セミナールームにてセミナーを開催いたしました。

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