2008年01月15日

画面メモを意識した携帯サイト制作

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ユーザビリティコンサルタント
東 美和子

PCをほぼ/全く利用しない「インターネット=携帯電話」ユーザは、携帯で情報収集を行う際、画面メモを好んで使用します。

特に、ユーザが広く多く情報収集するサイト(例えば飲食店・不動産物件・求人情報の検索サイト)の場合はその傾向が顕著です。このようなサイトでは希望に近い候補が数件から数10件程度は現れるため、ユーザは「気になるものをとりあえず画面メモに保存しておいて、後で詳しく見よう(比較しよう)」と考えるからです。
(なお、サイトによっては「後で見る」機能が提供されていますが、その場合でも画面メモが優先的に使用される傾向があります。)

このとき、ユーザは「めぼしいものをさっさとチェックしたい」という心理でいるため、画面メモのタイトルを自ら変更することはありません。閲覧しているページのページタイトルがそのまま画面メモのタイトルとなる場合がほとんどです。

従って、携帯サイトを制作する際には「画面メモリストを後から見ても、何のページか分かるようなページタイトルをつける」という配慮が重要です。

例えば、ある賃貸物件検索サイト(仮にサイトの名前を「住宅情報ビービット」とします)では、次のような状況が発生しました。

ユーザは条件を変えながら物件を検索し、その中で、めぼしい物件ページをいくつか画面メモに保存しました。そして、それぞれを比較しようと画面メモリストを開いたとき、画面メモのタイトルが全て「賃貸マンション探しなら住宅情報ビービット」となっていました。

ユーザはどの画面メモがどの物件のページなのかが分からなかったため、仕方なく、それぞれ画面メモを見ながら画面メモの名前を変えていきました。

上記の事例の場合、最も理想的なページタイトルは、「●●駅・1K・家賃5万の賃貸物件」のように、重要な検索条件が含まれているタイトルだと考えられます。ただし、システムの制約・負荷の条件から、そのようなタイトルを実現することは難しいかもしれません。その場合でも「●●駅の賃貸物件」など、重要な要素を最低1つは含めるようにしたいものです。

「ページの内容を端的に示したページタイトルをつけること」は、PCでも携帯でも必要なことです。ただ、携帯は、情報の一覧性や機器の操作性がPCよりも劣るため、画面メモ(=ページタイトル)から、ページ内容がすぐに思い出せることの重要性が高くなるのです。

携帯サイトの中でも特に、「ユーザが画面メモに保存する」という行動が想定されやすいサイトをお持ちの方は、ページタイトルが適切につけられているかどうかをチェックしてみることをおすすめします。

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