2007年08月06日

ユーザの混乱を招きやすいインターフェースの例

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ユーザビリティコンサルタント
東 美和子

今回は「ユーザが混乱してしまうインターフェースとその解決法」の1パターンを、会員登録をして使うECサイトを例にしてご紹介します。

購入が頻繁にあり得るようなECサイトでは、「いつものお届け先」を登録できるようにしていることが多いと思います。同時に、イレギュラーな場合に備え、「お届け先を変更する」という選択肢も提供されていることも多くあります。

それでは、上記の状況をどのようなインターフェースで表現すれば良いでしょうか。一例を挙げてみます。 2通りのお届け先のいずれかを、ラジオボタンで選択させる形式です。
図1.GIF

図1の場合、弊社のユーザビリティ調査では、お届け先を変更したいユーザがラジオボタンのチェックを忘れ「お届け先の変更」ボタンをクリックしてしまう様子が観察されました。さらに、ラジオボタンと「変更」ボタンのどちらをクリックすれば良いか分からない、と困惑するユーザもいました。

問題の原因は下記の2点が考えられます。
原因 1:
「別のお届け先に送る」と「お届け先の変更」という、同じアクションを想起させる文言が近接している
原因 2:
「変更」ボタンのアフォーダンスが高く、ユーザの行動はボタンのクリックに誘導されやすい

そこで、「同じ意味を持つインターフェースは1つに合体させる」ことに配慮し、図2のようなインターフェースを設計しました。
図2.GIF

この画面でユーザビリティ調査を行ったところ、ユーザは迷い無くボタンをクリックし次の画面へと進んでいくことができました。

この改善により、ユーザが直観的に操作を行えるようになると同時に、サイト運営者側も離脱率を下げることができるという双方にとってのメリットがあります。

本記事では「お届け先」を例にとりましたが、「いつもの金融機関(決済方法)」「いつもの送信先メールアドレス」など類似のケースがいくつか考えられます。心当たりがあるウェブマスターの方は、一度見直されてみてはいかがでしょうか。

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