2009年08月03日

「写真が勝負」のサイトは、どんな写真を載せるべき?

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顔写真
ユーザビリティコンサルタント
西脇 純平

ホテルのサイトや結婚式場のサイトなどでは、ユーザにどれだけ写真で施設の魅力を伝えられるかどうかが、資料請求や宿泊予約といったサイトの成果に大きく影響します。

今回はそのような「写真が勝負」のサイトで、どんな写真を載せるのがよいか悩んだ際の解決方法をご紹介します。

STEP1:迷うくらいなら全部載せてみる

ホテルや結婚式場では、ウェブサイトに限らず、雑誌などの紙媒体でも写真が非常に重要です。どの写真を載せるか次第で、読者の反応が大きく異なると思われます。

ウェブサイトでも同様に、数ある写真の中からどれをサイトに載せるべきか、必死に悩んでいるという担当者の方は多いのではないでしょうか。

しかし、ウェブサイトでは「勝負写真」選びに悩むのは、非常にもったいないと言えます。 ウェブサイトは紙媒体と違い、スペースに限りがありません。あれかこれかで悩んだときは、両方載せてしまってもコストはほとんど変わりません。よい写真が30枚あるなら、30枚載せなければ損というものです。

ウェブサイトに載せる写真選びに悩んでいると、もったいないのは時間だけではありません。

弊社で「写真が勝負」のサイトのユーザ行動観察調査を行うと、ユーザが「写真が少ない」と不満を口にするケースを多々目にします。ユーザは事前に雑誌や比較サイトで候補を絞っており、さらに詳しい情報を求めて公式ウェブサイトを訪れることが多いため、雑誌と同様に美しい写真が数枚あるだけでは満足できないわけです。

紙媒体は見開き1ページ勝負、ウェブサイトは無限のスペース

ユーザは写真をたくさん見ていく中でだんだんと気分が盛り上がっていくケースが多く、写真が豊富にあると、その確率が高くなります。弊社の過去のユーザ行動観察調査の経験上、多すぎて見切れないほど大量に写真を載せた場合でも、ユーザは不満を感じることはありません。また、サイトで多くの写真を見て満足してしまって資料請求しなくなる、ということは無く、逆に「手元に資料をもらってさらに検討したい」という意欲が高まる、という結果につながることがわかっています。

より多くの写真で会場の様子を伝えることは、サイトの成果アップに非常に有効なのです。


STEP2:どの写真が本当によいか、載せてみてから効果検証する

写真は豊富な方がよいとは言え、本当に撮った写真を全部載せるわけにもいきません。より効果のある写真だけを載せたいところです。

ウェブサイトではアクセス解析を活用することで、どの写真がどれだけクリックされているか、といったデータから写真の人気を量的に計ることが可能です。また、1度出稿したら変更が難しい紙媒体とは異なり、いつでも変更が可能です。アクセスデータを見ながら、人気のない写真と新しい写真を随時入れ替えていくことで、ユーザの関心が高い写真だけを残すことができるのです。


STEP3:なぜその写真がよいか、ユーザ行動観察調査でさらに深掘り

ユーザ行動観察調査を通じて、人気のある写真がクリックされる理由を探ることも重要です。ユーザが写真をクリックした理由、しなかった理由を深掘りしていくことで、ユーザが何を求めているのかが見えてきます。ユーザがどんな情報を求めているのかが分かれば、アクセス解析だけで分析するよりも正確に効果のある写真を選ぶことができます。

例えば、モデルが映える写真ばかりを載せていたが、ユーザは後ろに写っている施設の雰囲気にしか興味がなかった、という発見があれば、より素敵なモデルを選ぶよりも施設の様子が分かる写真を選ぶことの方が重要だと分かります。

場合によっては写真の撮影方法から変えた方がよい、といった課題が見つかるかもしれません。

ウェブサイトに載せる写真を選ぶとき、雑誌等の紙媒体と同じような感覚で、ついつい写真を絞り込みがちですが、上記のようなウェブサイトの特長を生かした写真選びを試してみてはいかがでしょうか。

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