2007年10月09日

スローテールを考慮する

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マネージャー
磐前 豪

ウェブサイトを運営する方は、サイトに訪れたユーザをいかにサイト上のゴールまで導くかということに日々腐心されていることと思います。

ただ、訪れたユーザはすぐに購入や申込みなどのアクションを起こすとは限りません。

具体的な検討はまだ先の時期であったり、その時はじっくり見る時間が無かったりすることもあるでしょう。また、意思決定者が自分だけではなく、人に相談したうえで最終決定するというケースも考えられます。
このような場合、アクションを起こすのは数日後、数週間後、場合によっては2-3ヶ月後となることも考えられます。
こうした、訪問からアクションまでのタイムラグを考慮する考え方を、「Slow Tail(スローテール)」と呼びます。

参考:Slow Tail:訪問から購入までのタイムラグ(Jakob Nielsen博士のAlertbox)
http://www.usability.gr.jp/alertbox/20050906.html

サイトに訪れたユーザが、サイトを離れしばらく経った後、いかに行動しやすくするかについては、見逃しがちなポイントです。特に以下のようなケースに注意が必要になります。

・掲載が終了したページにアクセスしてしまうケース
例えばECサイトで、ある商品ページをお気に入りやメルマガから再訪しても、404エラーが表示されたり、単に「掲載は終了しました」と表示されたりすることがあります。 商品の取扱いを終了した場合でも、出来る限りページは残しておくことがまず第一に必要です。そのうえで、現在は取扱いが終了したことを伝えつつ、関連する商品や商品へのリンクを掲載する等、次へのナビゲーションを用意しておくとよいでしょう。
一度は興味を持ったユーザですので、できるだけその興味に近い情報を掲示すれば、ユーザの離脱を防ぐことができます。
求人サイトの求人情報や不動産サイトの物件情報など、もともと一定期間のみの掲載である場合には、ページを表示できないことを伝えつつ、キーワード(求人サイトであれば、社名など)での再検索へ誘導することも有効でしょう。
プロモーション用ページや広告のランディングページについても、同様の対処が必要です。

・印刷したページに情報が不足しているケース
内容が複雑な商品/サービスや、複数の意志決定者がいる商品/サービスの場合、印刷してじっくり検討してみる、といった行動はかなりの確率で想定できます。
プリントアウトしたページを見て、さらに詳しい情報を知りたいときや疑問が生じた際、印刷したページに問合せ先が掲載されていないと、その場でアクションを取ることができません。また、実店舗の住所や案内が記載されていれば、実店舗に行って相談して決めよう、という行動を促すこともできます。
(電話や店舗への誘導は直接のWeb上のゴールではないかもしれませんが、ビジネスゴールにはつながるでしょう)
印刷したページをユーザがどのようなシーンで使用するのか、具体的なシーンを考え最適化することが求められます。

上記は一例ですが、ユーザが自社の商品、サービスをどのようなプロセスで検討するか、サイト外も含めて考え直してみると、今サイト側で対処できていないことが見えてくるかもしれません。

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