第2回 デジタル・メディア・ストラテジーズ 織田浩一氏×ビービット
「日米でのオンラインマーケティングの現状や未来展望について」(2006年11月2日)
パート5 口コミマーケティングのあり方
- 遠藤:
- 最後に伺いたいのですが、よく日本のウェブマスターとお話している時に、インタラクティブな企画をやりたいが、それにはリスクが伴うことが話題になります。先ほどのソニーやウォルマートのブログ炎上の話もあります。
やはりインタラクティブにやろうとすると問題の起こるケースはよくあるのか、また起こるのだとすればどう対処していくのか、アメリカの事例なども踏まえて教えていただけませんか?
- 織田:
- 2001〜2年にステルスマーケティング(注:サクラが中立の第三者を装って口コミの発信・伝播を図る行為)が流行って、いわゆるゲリラマーケティング手法を用いたところ、結果的に今と同じように炎上したんですね。
先ほどご紹介した「口コミマーケティング協会(注:WOMMA)」の1つのミッションは、そのような口コミマーケティングに対する悪評が立ちすぎるので、結果的に広告主に対しての影響が悪く出てくるということで、それを教訓として、「倫理基準を作って情報公開をするという動きをしないと、結果的にネガティブなことになってしまう」というものなのです。
ですので、すべてオープンにしましょうというのが彼らのガイドラインなんです。
- 遠藤:
- 似たような話でちょっと前に言われていたのですが、日本でエンターテイメント系の商材をPRするにはmixiのコミュニティが格好の場所とのことで、例えばアイドルのコミュニティだったら新曲を出す際に「こういうのが出るらしいよ」と掲示板等でリークをすると、すごい火がつくらしいんですね。それで売り上げが極端に伸びたりするらしく、プロモーターは大体やるという話があるそうです。
ただ、アメリカの事例から学ぶとすれば、それは確実にネガティブな方になっていくということですよね。
- 織田:
- その可能性はありますね。そのようなマーケティングには2つポイントがあって、それは情報格差の問題と、サクラが誰のフリをしてやるかという問題です。
情報格差があると当然(情報は)広がりやすいですよね、「早く友達に話したい」となるので。なので情報格差があると効果が上がります。
ネガティブな方に振れるのは、誰のフリをするかという点ですよね。ブロガーのフリをして映画評を書いて、それがバレたというのはアメリカでもあります。
ただ、その辺の話となると、どうやるかは別の話だとしても、炎上させる消費者がいて、それに対してブランドというか企業を守る消費者がいないことが根本的な問題なんだと思います。
消費者対消費者で戦ってくれると良いんですよ。その意味でVespaの例は良いアプローチだと思います。「顧客ファンをどうやって作っていくのか」という課題は次に考えていかないといけないことでしょうし、ナイキがソーシャル化するサイトを作るのは、イコール、ナイキのファンでもあるけどコミュニティに対するファン作りでもあって、そういう人達が何らかの形で守ってくれる可能性があり得ると思います。

- 遠藤:
- 日本では倫理協定を作ろうという動きはないんですよ。
- 織田:
- 日本では倫理協定を作ろうという動きはないんですよ。
- 遠藤:
- まだないですね。ただこれから可能性はあると思います。
- さて、それでは時間になってしまったのですが、織田さんは企業のコンサルティングやアメリカのマーケティングなどの仕事をしていらっしゃるので、ご興味がある方は直接連絡を取って頂ければと思います。
それでは今日は大変有意義なお話の数々、有難うございました。