セミナーレポート『コンテンツの効果を顧客行動データで読み解く!新手法「デジタル行動観察」と成功事例』

6月27日に、第23回のIn-house SEO Meetupが開催され、ビービットがイベント協賛しました。今回は、そのイベントの中で行った弊社セミナーの内容をお伝えします。

2017年7月18日

In-house SEO Meetupに協賛しました

In-house SEO Meetupとは、「ビジネスパフォーマンスの向上をSEOで仕掛けるインハウスマーケターのためのビアバッシュ形式のコミュニティイベント」で、毎回、企業担当者による事例講演やSEOやコンテンツ・マーケティングの業界著名人による講演が行われています。

今回は「トップクラスのライター&編集者に聞く!ユーザーとコミュニケーションを深めるコンテンツの創り方」というテーマのもと、以下のプログラムで開催されました。

  • スポンサーセッション:ビービット
  • 第1部:ライターのヨッピーさんによる講演
  • 第2部:ぐるなび様による企業事例講演
  • 第3部:ヨッピーさん、ぐるなび様、BuzzFeed Japan様のパネルディスカッション

このレポートでは、弊社の講演内容をご紹介します。

コンテンツはユーザに役立っているか?
ビジネス成果に貢献しているのか?

SEOや集客のためのコンテンツ・マーケティングは、デジタルマーケティングでは一般的になっていますが、講演の冒頭、講師の弊社コンサルタント生田はその問題点を提起しました。

『“良い”コンテンツの条件として、①検索エンジンに評価される、②ユーザに役立つ、③ビジネスに貢献するの3つを挙げられます。しかし、これらの意味で、本当にそのコンテンツが“良い”と判断するのは難しいのではないでしょうか。

コンテンツ・マーケティングの指標として、検索順位やPV、セッション数、滞在時間、直帰率、読了率、CV数などがありますが、これらの指標の多くは検索エンジンに評価されているかの指標ではあります。しかし、これらの数値だけから、ユーザに役立っているか、ビジネスに貢献しているのかを評価することが難しいのが実情です。』

コンテンツの本当の効果を読み解く手法として、コンテンツを閲覧したユーザ一人ひとりの行動を定性的に観察する「デジタル行動観察」手法を提案しました。

『デジタル行動観察は、ウェブ上の行動ログで活用して一人ひとりのカスタマージャーニーを追体験し、顧客行動を見える化する手法です。具体的には、いつ、どのデバイスで、どこから流入し、どのようにウェブサイトを閲覧したのかという行動ログを、顧客一人ひとりの時系列に沿って観ていきます。ユーザ行動の流れを追いながら、ユーザの状況や背景を解釈し、ユーザニーズや心理を深掘っていきます。』

デジタル行動観察の実施ステップは下記で紹介していますので、そちらをご覧いただければと思います。このレポートでは、デジタル行動観察でコンテンツの閲覧状況が把握でき、改善につながった事例を詳細にご紹介します。

「データ活用の常識を変える、UX改善の新手法とは」--宣伝会議インターネット・マーケティング・フォーラム2017講演レポート

デジタル行動観察の事例:検索流入は集めたが、なぜCVにつながらないのか?

生田が紹介した企業事例では、2つの美容系サービスを展開している企業様です。1つは専門的な治療が受けられる美容専門病院と、薬の処方だけが受けられるクリニックとのことでした。

美容専門病院は医師による専門的な治療が受けられる一方、費用は高額で、拠点数は少なく、関東でも数店舗、全国でも10店舗ほどしかありません。このサービスのウェブサイトでは、医師による記事やブログを制作し、多くの検索流入を集めていました。

もう一つのサービスである薬の処方箋クリニックは、薬の処方だけ行うため比較的安価で、全国に多くの店舗があります。ウェブサイトでは、店舗情報やそれに関連する情報を充実させおり、そこからの流入も多くありました。

そこで、それぞれのウェブサイトで検索から流入し、CVした顧客がどのような行動を行っているのかを、一人ひとりのデータを観察することで把握してみることにしました。その結果、以下のようなことがわかりました。

デジタル行動観察で分かったユーザニーズ

・行動=専門病院の記事に流入するが、サービスの価格を知り離脱していた

美容専門病院サイトの記事やブログに流入するユーザは、その症状や治療名などの情報集計系の検索ワードで流入していることは分かっていました。ランディングした記事を閲覧後、関連する記事を見たりして、その後専門病院のサービスを見はじめます。

しかし、その後、価格のページを見るのですが、多くのユーザはそこで離脱してしまい、予約にはつながりません。

また、美容専門病院サイトを離脱したユーザのうち、たまたま数人が、離脱後にリスティング広告でクリニックサイトを見つけて、予約していました。

・行動の解釈=求めていたものは、専門治療ではなく、手軽な美容対策

まず、自然検索で記事に流入したユーザが価格ページで離脱しているということから、ユーザは必ずしも高価な専門的な治療を求めていないことが分かります。また、数人の行動ですが、専門病院サイトでCVせずに、もっと安価なクリニックサイトでCVしたという事実からも、ユーザと専門病院サービスがマッチしていないということが裏付けられます。

つまり、ユーザニーズは「手頃な美容対策を知りたい」だったのです。つまり、ユーザ行動と心理の流れは、以下のような図にまとめられます。

・対応すべき課題と改善施策

デジタル行動観察から把握できた課題は、複数のニーズが重なるサービスを展開しているにも関わらず、全体を俯瞰して、「何のコンテンツで、どのようなニーズのユーザを、どのウェブサイトに集めるのか」という最適化戦略が出来ていなかったことです。

しかし、この課題は解決のハードルが高く、すぐに改善できるものではありませんでした。そこで、もう一度ユーザ行動に立ち戻って、実行可能で、成果につながりそうな施策を考えることにしました。

ユーザの立場からすると、医師による記事や美容サービス自体に興味はあるものの、高価な専門治療までは不要でした。だから、価格ページを見て離脱していました。つまり、課題は専門病院の価格を高いと思うユーザに、薬処方のクリニックサービスを伝えられていないことでした。

そこで、この企業様では、ウェブサイト間の導線を整備するとともに、記事から専門病院サイトに流入した離脱ユーザにクリニックサービスのリターゲティング広告を配信することにしました。

まとめ:デジタル行動観察で可能になること

当日の講演は上記の事例を講師の生田が解説し、弊社のデジタル行動観察ツール「ユーザグラム」をご紹介して終わりました。このレポートでは、上記の事例から分かるデジタル行動観察の特徴をお伝えし、まとめとします。

・「検索流入は集めているが、CVRが低い」といった、数値からでは原因が分からない課題に対して、ユーザ一人ひとりの行動からその原因を突き止めることができる。

・ユーザ行動を単に観るだけではなく、その行動の流れ(カスタマージャーニー)に沿って、背景や理由を解釈することで、ユーザニーズへのより深い示唆が得られる。

デジタル行動観察ツール「ユーザグラム」のブースも盛況でした

スポンサーセッションの中では、ユーザ一人ひとりの行動を観られる専門ツール、デジタル行動観察ツール「ユーザグラム」もご紹介しました。セッション後、ユーザグラムのブースに多くの方に詰めかけていただき、大盛況でした。

デジタル行動観察ツール「ユーザグラム」

・デバイスをまたいだ行動を把握できる
・行動ベースでの効果検証ができる
・LTVが高い、ロイヤリティが高いなど、特定顧客だけを抽出できる
・発見したインサイトを定量的に裏付けられる

ユーザグラムの機能や活用シーン、導入実績などを知りたい方は、こちらから詳細なサービス資料をダウンロードいただけます。


ユーザグラムの資料ダウンロード

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講演:生田 啓
(コンサルタント)
京都大学工学部を卒業後、株式会社ビービットに入社。ユーザー中心アプローチによるネットマーケティング手法の開発や、金融機関、大手保険企業などへのコンサルティングに携わる。現在は、企業が科学的にマーケティングを行って確実に成果を創出するためのデジタル行動観察ツール「ユーザグラム」および効果測定ツール「ウェブアンテナ」の事業運営に携わる。
 
文:薮 義郎
(ソフトウェアサービス マーケティング担当)