2007年08月20日

検索条件の入力画面で配慮したいインターフェース例

ソーシャルブックマーク  はてなブックマークに登録  この記事をクリップ!  Yahoo!ブックマークに登録  Google Bookmarks に追加  Buzzurlにブックマーク  del.icio.us に登録  | 

iwasaki.JPG
マネージャー
磐前 豪

ユーザに2つの選択方法を提示することが、かえってユーザを適切でない行動に導いてしまうこともあります。今回は検索条件の入力画面を用いて、その一例をご紹介します。

あるレストラン情報の検索サイトでは、エリアの絞込みに関して、各沿線の駅単位で絞り込める機能を提供していました。

図1.GIF

図1のような画面構成で、

  • チェックボックスを選んでから選択ボタンをクリックすると、チェックボックスがOnとなっている駅名で検索を実行(=複数選択が可能)
  • 青字下線をクリックすると、その駅名のみで検索を実行
という機能になっていたとします。

この際に行ったユーザビリティ調査では、渋谷か新宿か池袋であればどこでも構わない、といったような複数の選択肢を持つニーズが多く見られたにも関わらず、青字下線のリンクを最初にクリックするケースが度々観察されました。
この画面構成の場合、チェックボックスよりも青字下線リンクの方がアフォーダンスが高いため、多くのユーザは頭に思い浮かんだ駅名をページ内で見つけると、次のアクションとして青字下線リンクをクリックしてしまっていたのです。

「チェックボックスを選択してから、検索ボタンをクリック」という2アクションが必要となる機能だけではなく、1アクションで検索できる方法も提供した方が、ユーザの利便性が高まり良さそうに思えるかもしれません。

しかしながら、ユーザがそれを理解して使いこなせないのでは、かえって利便性を下げてしまい、ユーザが求める情報に辿りつくことなくサイトを離脱することにも繋がってしまいます。

今回の例での改善策としては、青字下線リンクを無くし、チェックボックスからの検索に一本化してしまう対応が考えられるでしょう。
(※ユーザが2つ以上の項目を選ぶ可能性が高く、インターネット中・上級者以外のユーザもターゲットである、という場合)
なお、labelタグを用いて、テキスト部分をクリックしてもチェックを付けることができるようにすると、チェックボックスの選択が容易になります。

検索機能のような多様なユーザニーズが考えられるものについては、サイト運営側はなるべく多くの機能を提供したくなりますが、選択肢を増やすことが、ユーザをゴールに導く近道になるとは限らないということを、考慮しておく必要がありそうです。

ソーシャルブックマーク  はてなブックマークに登録  この記事をクリップ!  Yahoo!ブックマークに登録  Google Bookmarks に追加  Buzzurlにブックマーク  del.icio.us に登録  | 

<< ユーザの混乱を招きやすいインターフェースの例 | トップ | 確認画面で与える安心感 >>



AI搭載 モーメント分析クラウド「USERGRAM(ユーザグラム)」