第2回 ユーザビリティ基本原理

ユーザビリティを向上させるためには、まずユーザビリティを構成する要素である基本原理を明らかにし、それぞれの原理に基づいた設計や診断を行っていく必要があります。その基本原理は5つあると考えられています。

2001年4月 4日

ユーザビリティを向上させるためには、ユーザビリティを構成する要素である基本原理を明らかにし、それぞれの原理に基づいた設計を行う必要があります。

ユーザビリティの権威であるヤコブ・ニールセン氏は、ユーザビリティの特性を下記の5原則としてまとめています。

ユーザビリティ5原則

  • 学習しやすさ :すぐに、そして簡単に使用することが可能
  • 効率性 :学習後は高い生産性を創出可能
  • 記憶しやすさ :簡単に使い方を記憶することが可能
  • 間違えにくさ :間違いを起こしにくく、また起こしても簡単に回復可能
  • 主観的満足度 :ユーザが満足できるよう楽しく利用することが可能

学習しやすさ

学習しやすさとは、初めて使用するウェブサイトにおいて、目的の作業をいかに速くきちんと終えられるかを示します。 基本的に学習しやすさの高いウェブサイトは、ユーザビリティが高いと判断されます。 しかし、ウェブサイトの目的によってはヘビーユーザをターゲットにし、熟練時の効率性を重んじることが想定されます。 このようなケースでは、学習のしやすさを犠牲にすることも考えられます。 反対に、資料請求用ウェブサイト等のように使用回数が一回であると想定される場合は、学習しやすさがユーザビリティを考える上で最も重要な要素となります。

効率性

効率性とは、学習後の熟練ユーザが決められた作業をいかに速くきちんと終えられるかを示します。ヘビーユーザをターゲットとするオンライン証券等では、熟練者の効率性を考慮した設計が必要となります。

記憶しやすさ

記憶しやすさとは、以前の学習で覚えた使い方を、いかに早く正確に思い出すことができるかどうかを示します。 ヘビーユーザのように使用頻度の高いユーザと違って、断続的にサイトを使用するユーザをターゲットとするECサイト等では、一度学習した内容をすぐに思い出し、再びサイトを訪れた際にすぐに購買ができるような設計が必要となります。 また、記憶しやすさは学習しやすさと密に連携しており、学習しやすさが高いほど、記憶しやすさも高いと言われています。

間違えにくさ

間違えにくさとは、ユーザの操作ミスによるエラーを起こりにくくし、またエラーが発生しても簡単に回復できることを示します。 ウェブサイトに限らず、システムにおいてはエラー発生率を極小化することが非常に重要です。 紛らわしいボタン配置や、エラー表示の文章などを見直すなどして、間違えにくく、万が一エラーとなった場合もユーザが1人で復帰可能なサイト設計を目指す必要があります。

主観的満足度

主観的満足度とは、サイトを使ったユーザがその作業、経験を楽しいと感じる度合いを示します。 インターネットゲームや出会いサイトなど、エンターテイメント系サイトで特に重要なユーザビリティ特性です。 ユーザはその様なサイトを使って、長時間楽しく過ごしたいと思っているため、何かを成し遂げるスピードよりも、エンターテイメント的価値である主観的な満足度の方が優先されるのです。 そのようなサイトのユーザの定着率を向上するためには、とにかく楽しく、動きがあって豊かな体験を提供するよう、主観的満足度を高めることに配慮しなければなりません。

ウェブのユーザビリティは、ある一面からだけの特性ではなく、これら5つの特性からなる多角的な構成要素を持っています。 サイトの目的により、重点を置く原則は異なりますが、基本的にはこれら5つを満たすべく、ユーザビリティを実践していく必要があります。

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実績

  • ベネッセコーポレーション

    外部環境の変化に伴い、既存のコミュニケーションでは新規会員獲得が難しくなっていた。これまでとは違うユーザのニーズを捉えたコミュニケーション方針を策定し、ウェブサイト経由の申し込み数108%を達成。

  • 旭化成ホームプロダクツ

    ウェブサイトを製品の魅力を訴求する新たなメディアとして活用するためのリニューアルを実施。豊富なコンテンツ力を活かしターゲットユーザを商品ページへ誘導し、商品詳細ページにて他社商品との違いや独自のブランド力を訴求することに成功。

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